帯広開建は23日、台風により甚大な被害を受けた国道274号日勝峠の道路欠損箇所を報道機関に公開した。清水町側の7合目では、沢の水など大量の水が流れ込んだことにより道路が完全に寸断していた。同開建は、2次災害防止に向け、悪天候や濃霧の発生時は作業を中止しながら詳細な被害状況や災害発生の原因などを調査している状態で、調査や復旧の完了のめどについて高橋丞二次長は「明確に言うことはできない」としている。
峠全体の被災箇所は、大規模な道路欠損が6カ所、橋梁損傷10橋、覆道の損傷は3カ所で、そのほかの道路損傷がまだ多数あるとしている。このうち帯広開建管内には、道路欠損が清水町側の7合目と8合目の2カ所、橋梁損傷が下部の損傷などで2橋ある。
報道機関には、清水町側の7合目から8合目の手前までを公開した。7合目は道路が110mにわたって欠損。7合目と8合目の間の道路でも、土砂が押し流されて82mほど両側の路肩を崩していた。8合目では石山トンネルの清水町側入り口付近で、道路ごと斜面が約84m崩壊しているという。
8月28日の降り始めから同31日までの日勝峠の積算降水量は同地点の最高値となる488㍉を記録した。同開建は、道路が欠損した原因として、台風や前線による降雨が連続したことから、沢の水や山からの雨水が大量に流れ込み崩壊を招いた可能性を指摘する。
峠の麓では23日午前9時から清水町側4・3㌔の通行止めを解除したため、通行規制区間は39・5㌔となった。通行止めを解除した区間にある石山地区では、道路脇の排水溝がオーバーフローを起こし、1㌔にわたって路体やアスファルト舗装が削られているが、車両を通られるよう応急対策を施した。