北海道生コンクリート協同組合連合会はこのほど、生コンクリート賠償責任保険に加入した。販売した生コンの品質に問題があり多額の賠償責任が発生した場合などにその補償をする保険で、道内29協組のうち24協組が加入を決めた。同協組連によると、これだけの規模の加入は全国初。成田真一会長は「生コン生産者とユーザーの双方がより安心できる体制につながる」と期待している。
損害保険ジャパン日本興亜が提供する保険で、1日付で加入した。主な保険内容は①生コンの品質に欠陥があり、建物が損壊したことで発生した法律上の賠償責任の補償②生コンが原因で人的、物的に被害や損害を与えたことで発生した法律上の賠償責任の補償―の2点。基本補償は1事故当たり10億円で、免責金額は1000万円。
全国的に見ると、生コンの品質が要因となり多額の損害賠償に発展した事故事例はある程度存在する。そうしたリスクに備え、これまで道内では道南などで地方協組が単独で保険に加入する事例が見られたが、単独加入では保険料が割高になるといった課題があった。
そこで同協組連は「道内でもいつ事故が起こるか分からない。1社だけでは責任を負いきれない可能性もある」(守島郁生専務理事)として、相互扶助の観点から道内全域での保険加入を検討してきた。
同協組連傘下の地方協組の契約を一本化できれば、保険料を大幅に低減できると保険会社から回答を得られたこともあり、実際に保険に関する勉強会を各地で開くなど、生コン業界特有の事故や賠償の事例を紹介しながら重要性を訴えてきた。その結果、10月25日の理事会で24協組の賛同を得られたため、加入に至った。
成田会長は「万が一の事故に備え、生産者もユーザーも安心できる体制が実現した。当然ながら、品質管理や安全管理もこれまでと同様に徹底していく」と話している。