武田薬品工業(本社・大阪)、アステラス製薬(同・東京)、武田テバファーマ(同・名古屋)、武田テバ薬品(同・滋賀県甲賀市)の薬品メーカー4社は、札幌市内に共同の物流センターを新設する。施設概要などは明らかにしていないが、2018年3月に稼働を始める予定。施工業者は「既に地元企業に依頼している」(武田薬品工業)としている。
4社はこのほど、地震など自然災害による非常時の医療用医薬品の安定供給や輸送の効率化を目的に、共同で保管・輸送する体制の構築と、物流センター設立の基本合意を結んだ。
医薬品などの共同保管によって、品質確保や被災地への対応が迅速にできることに加え、輸送についても近年のトラックドライバー不足に対応し、トラック台数の削減にもつなげる。
北海道を最初の取り組みの場として選んだ理由を武田薬品工業の担当者は「地域や市場規模の大きさから見て、十分に適切な場所」と話す。本道での事例を踏まえ、今後、全国的にこのような共同保管・輸送による体制構築を広めることについては「十分あり得る」とした。
札幌市内に新設する物流センターの規模や建設地などは明らかにしていないが、設計を終え、施工業者の選定も終えているもよう。施設の管理業者に関しても見通しが立っているようだ。
道内にある武田薬品工業、武田テバファーマ、武田テバ薬品の3社の各物流センターは、新施設に機能をそれぞれ移管する考え。