登別市の本庁舎・第2庁舎整備の検討が17年度から本格化

2017年03月27日 19時30分

 長年の懸案事項となっている登別市の本庁舎・第2庁舎再整備に向けた動きが、2017年度から本格化する。17年度は市内各地区で説明会や懇談会などを開催し、市民意見を集約。順調に進めば年度内に市として一定の方向性を固め、18年度には基本構想を策定する意向。人口規模が比較的近い北広島市の新庁舎建設事業を踏まえると、延べ1万m²の施設を整備するには工事費40億円以上が必要と試算している。

 登別市役所は、本庁舎と消防などが入る第2庁舎で構成。本庁舎は1961年に正面左側の棟と右側の棟が完成し、その後74年まで増築を重ね、現状規模はRC造、3階、延べ4970m²となっている。第2庁舎は61年完成で、規模はRC一部W造、2階、延べ1150m²。

 11年度に実施した本庁舎の耐震診断では、左側の棟の1、2階と右側の棟の2階部分でIs値(構造耐震指標)が0・3未満と判明。市は両庁舎の老朽化が著しく、津波の影響を受けやすい立地であることも踏まえ、現地建て替え、耐震補強、高台移転などさまざまな方向性を模索している。また登別商工会議所が、市庁舎建て替えにPFIなどが活用できないか、研究会を設置した経緯もある。

 市は16年度から、毎年度2000万円ずつの基金積み立てを開始。だが北広島市新庁舎など道内外の事例を基に試算したところ、仮庁舎整備、外構、移転費用などを除く本体建設費だけで40億円以上に上る見通しとなったこともあり、建設費用の確保にはほど遠い状況だ。

 一方、国は17年度に創設する公共施設等適正管理推進事業債制度の中で、20年度までの4年間に限り旧耐震基準で建設された市町村の役場庁舎建て替えなどに関して起債可能額を75%から90%に引き上げるなど支援策を講じることから、市はこの制度活用を検討することにした。

 最短で17年度に市民意見を集めて18年度に基本構想を策定し、その後の基本・実施設計などにつなげる意向。市の担当者は「本庁舎を建て替えるにしても、どんな機能を持たせ、どこに建てるかなど検討課題は多い。慎重に進めていきたい」と話す。スケジュールについては「20年度着工が望ましいが、逆算すると困難」との見方を示し、制度の延長にも期待を寄せている。


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