札幌市病院局は、市立札幌病院大規模改修の基本構想として、現時点では整備手法を「居ながら改修」とする方針を固めた。しかし、近年の財政状況が厳しいことなどもあり、基本・実施設計の着手や着工時期などは未定としている。
中央区北11条西13丁目にある同病院は、1995年に現在地へ移転。SRC一部RC造、地下2地上10階塔屋2階、延べ6万1014m²の規模で、建設から20年以上が経過している。
老朽化が進む配管など設備関連の更新が必要なことに加え、新たな設備導入に伴う狭あい化などにも対応するため、同局は時代に合わせた病院機能向上を目指して大規模改修を計画した。
2014年度に整備手法や病院機能、コストなどの基本構想策定に向け、基本調査を野村ヘルスケアサポート&アドバイザリーに委託。居ながら改修や駐車場への代替施設建設といった複数の整備手法を検討したが内部協議がまとまらず、16年度まで業務委託が続いた。
16年度でいったん業務委託を終了とし、コストなどの観点から整備手法は居ながら改修とする方針を決定。ただ、院内合意が完了していない上、14年度以降は厳しい財政状況が続いていることから、設計や整備に着手する見通しは立っていない。整備時期が固まったとしても手法が変更となる可能性もある。
ただ、老朽化が進行している配管設備関連の更新は個別で対応する方針。優先度が高い蒸気配管については17年度に設計を進め、18年度に整備したいとの考えを示している。