北海道森林管理局は、2016年に甚大な被害をもたらした一連の台風による被害概要を公表した。3月31日時点で、国有林と民有林での治山や林道、風倒木などの被害箇所は、計2770カ所、被害面積は3767ha、被害総額は209億4100万円に上った。
昨年の8月下旬から9月上旬にかけて本道には台風7号、9号、11号、10号の順で4つの台風が立て続けに襲来。観測史上3つの台風が上陸するのは初めてで、石狩川や空知川、常呂川などで氾濫や破堤が発生。道東方面への主要幹線道路が一時完全に遮断されるなど、全道各地に大きな爪痕を残した。
一連の台風による被害規模は、国有林で治山と林道で2216カ所、風倒木731haの総額137億9700万円で、民有林はその他を含め554カ所、3036ha、71億4400万円となる。後志・渡島・桧山・宗谷・根室管内では、現在も国有林の林道被害額が調査中のため、今後も増額する見込みだ。
最も被害総額が大きい地域は十勝管内で、国有林39億7700万円、民有林15億3100万円となり、計55億800万円を計上。続いて日高管内が国有林17億8200万円、民有林13億8300万円で計31億6500万円、上川管内で国有林21億3900万円、民有林9億400万円で計30億4300万円となった。
昨今の道内国有林の被害状況を見ると、15年10月の台風23号などが1億7500万円、14年8―9月の大雨が23億9600万円、10年7―8月の大雨が38億7509万円だったことからも、一連の台風がもたらした被害の大きさがうかがえる。
国有林と民有林の被害箇所・被害額は次の通り
◆林地荒廃・治山施設
▽国有林134カ所=119億5300万円▽民有林108カ所=44億2600万円
◆林道等施設
▽国有林2082カ所=17億5400万円▽民有林422カ所=14億500万円
◆風倒木
▽国有林731ha=9000万円▽民有林3036ha=11億2900万円
◆その他(施設など)
▽民有林24カ所=1億8400万円