札幌市が整備の検討を進める新たな融雪施設は、処理能力で1日当たり3000―4000m³の確保を目指していることが分かった。2017年度は都心部に比較的近い水再生プラザ周辺で候補地を絞り込むほか、外部熱源による都心部施設の可能性も追求する。事業化にめどが付けば、18年度にも基本設計に着手する考えだ。
市内で排雪された雪は各所の融雪施設や雪堆積場に運搬して処理しているが、近年はダンプの台数が限られ、作業効率の向上が求められている。
特に課題となっているのが中央、東、豊平、西の都心部やその周辺4区で、雪堆積場への運搬距離は平均の5・5㌔を大きく上回り、車両の回転率を低下させる要因となっている。
雪対策室は課題解消を目指し、15年度から市長公約の大型融雪槽などを含む新たな融雪施設整備の検討に着手。4区で候補地を検討してきた。
ことしは5月下旬にも下水道河川局を通じ、有力熱源となる下水処理水利用の詳細調査と、処理水を安定調達できる水再生プラザ周辺で候補地を絞り込む作業を、外部委託することにしている。
これと並行して、雪対策室では外部熱源活用による都心部への施設整備ができないかを模索。再開発動向も視野に入れながら可能性を探る。
建設費は数十億円と見込まれることから、運搬効率や熱コストを総合的に考慮しながら候補地を数カ所に絞り込んだ上で、事業化を慎重に判断する。めどが付けば基本設計に進み、次期冬のみちづくりプランに整備を位置付ける考え。
新施設の能力は下水処理水を使う融雪槽の場合、1サイクル3000m³、昼夜2稼働で1日6000m³(ダンプ430台分)を処理する新川水再生プラザ内の既存施設以上を想定。外部熱利用方式では1日4000m³(同290台分)の処理が可能な、JR札幌駅北口広場の都心北融雪槽と同水準としている。