白老町は、プロポーザルで公募していたポロト地区での温泉施設等整備について、星野リゾートグループの八重山ホテルマネージメント(沖縄県竹富町小浜東表2954、羽毛田実社長)を優先交渉権者に決めた。施設は宿泊棟など3棟で構成し、総面積は延べ5200m²を想定する。
国立アイヌ民族博物館など民族共生象徴空間の整備に伴い、公設のポロト温泉が同空間の整備用地にかかっているため、同温泉を民設民営で移転改築するもの。
建設地は現在地より西寄りの白老町若草町1丁目1018の1ほか。敷地面積は約9200m²。「森の空気に包まれるポロト湖畔の温泉宿」をコンセプトに、客室45室全て湖畔に面する3階建ての宿泊棟、宿泊者のくつろぎの空間としてトラベルライブラリーなどを備えたレセプション棟、民族共生象徴空間とのつながりを重視したにぎわいのある広場と日帰り入浴施設の温泉棟の3棟から成り、延べ面積は計5251m²を想定している。
ポロトの森を敷地内まで広げ、国立民族共生公園とポロトの森をつなぐほか、アイヌ文化を楽しむ特別なサービスやアイヌらしさと居心地の良さを追求した部屋を用意する。
プロポーザルには3者が応募。6月28日に開かれた選定委員会で、八重山ホテルマネージメントを優先交渉権者に決定した。同社の提案事項に関する類似・同種の優れた事業実績があることとポロト湖などの自然環境に配慮した計画であることが高く評価された。
同社は今後、社名を「白老ホテルマネジメント」に変更し、所在地を白老町に移転する予定。
町は優先交渉権者と協議、調整を進め、12月にも土地売買を含めて事業協定を結ぶ。2018年6月にも実施設計に取り掛かり、19年3月着工、20年4月開業を目指す。
7日の白老町議会象徴空間調査特別委員会で町の担当者が公募型プロポーザルの選定結果を報告した。6月27日に民族共生象徴空間の運営主体が「公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構」に閣議決定されたことも合わせて伝えた。