北海道開発局と東日本高速道路北海道支社は22日、昨年8月の台風災害で被害を受け通行止めが続いている274号日勝峠日高町千栄から清水町清水までの36・1㌔区間について、10月末に通行止めを解除すると発表した。現場を請け負う建設業者らの尽力で復旧工事が順調に進捗(しんちょく)。道央と道東をつなぐ大動脈は予定通り秋開通のめどが立った。
台風襲来以降、日勝峠は橋の落下や道路本体の欠損など66カ所が被災。道央と道東が寸断された状態が続いている。
通行止めから間もなく1年を迎える中、日高、十勝側とも復旧工事は順調に進む。被害の大きかった清水側7合目は幅14m、延長233mにわたって崩れ落ちたが、60m下から9万1000m³積み上げる盛り土が概成するなど、通行再開が着実に近づいている。今後の天候次第で変わる可能性はあるものの、10月末までには通行止めを解除できる見込みだ。
また、台風後いち早く復旧した道東自動車道は、道央と道東を結ぶ唯一の輸送ルートとして占冠IC―十勝清水IC間で代替路(無料)機能を発揮している。
国内シェア4割を占める十勝産ジャガイモや、道東産サンマなど農水畜産物を全国へ輸送。地域医療を支え、観光への影響を最小限に抑えるなど高いストック効果を上げた。