北洋銀行は24日、2017年度の道内経済見通しを発表し、16年12月発表の前回予測を0.3ポイント上回るプラス1%の実質成長率を見込んでいるとした。賃金の上昇や雇用改善などにより、個人消費が上向いていることに加え、昨年8月に本道を通過した連続台風による被害の復旧工事をはじめとする公共投資の増加傾向が主な要因となっている。
物価変動の影響を考慮した名目成長率はプラス1.3%。17年度の道内総生産(名目値)は、16年度を約2300億円上回る19兆231億円を見込んでいる。
17年度の道内経済の動向として、調査を担当した北海道二十一世紀総合研究所は、雇用・所得環境の改善で持ち直しを見せる個人消費と、補正予算の執行や昨年の台風被害の復旧工事が本格化している公共投資が、全体の成長をけん引していくと説明する。
個人消費に関しては、09年度にスタートしたエコカー減税など補助金効果の反動で、販売がやや低迷していた乗用車や家電が、ここに来て買い替え需要が出始めている。さらに、人手不足から賃上げも幅広く進んでいることなどから、消費マインドの改善が続くとし、実質でプラス0.9%、名目でプラス1.3%の成長を予測した。
住宅投資は、相続対策や投資目的により着工戸数を伸ばしている貸家が、今後の金融環境の変化によって緩やかに減速するとみる。持ち家や分譲も低金利の効果が一巡し、前年を下回ると判断した。これにより、成長率は実質でプラス0.1%、名目でプラス1.1%になるとし、前回調査より実質のみを下方修正している。
設備投資は、札幌市をはじめとする道内中核都市で複数の再開発事業が出ている一方、前年の医療などの大型投資、空港関連施設の増強投資の反動から、高水準は維持するものの減少が見込まれると予測。このため、実質でマイナス1.3%、名目でマイナス0.7%とした。
公共投資は台風の復旧工事に加え、新幹線札幌延伸工事の発注増も見込まれ、前年に続く高水準になるとし、実質を5.9%、名目を6.7%といずれもプラス成長を見込んだ。