発表会には

2016年05月14日 09時00分

 ▼学芸発表会といえば小学校の一大行事である。子や孫の活躍を毎年楽しみにしている、またはしていた、という人も多いのでないか。演劇や合唱、展示。幼い出来だが一生懸命さが胸を打つ。「子がわれかわれが子なのかわからぬまで子を抱き湯に入り子を抱き眠る」(河野裕子)。そんな赤ん坊だった子が舞台で立派に役を務めている。子どもにとっても親御さんらにとっても成長を実感する機会だろう。

 ▼子どもたちが練習に励んだ成果を見ることができるのはうれしい。ところが、相当な練習を積んだのだろうと想像はできても、どこか気持ちの悪さが拭えない発表会もある。つい最近も目にした。北朝鮮の第7回朝鮮労働党大会と祝賀行事の大パレードがそれだ。大会は36年ぶりに開かれたという。金正恩氏の党委員長就任を発表し、偶像化をさらに進めるのが狙いだったらしい。見え透いた筋立てで、小学生には悪いが拙い演劇をやゆする「まるで学芸会」の言葉がぴったりだった。

 ▼金委員長は今回、核保有国であることを殊更強調した。交渉に使えるカードは、もはや核兵器のみと考えてのことだろう。「わらをもつかむ」とはこのことだが非常に危険だ。折しもオバマ米大統領の広島訪問が決まった。計ったのかどうか金委員長の「核武装」カードに対し、「核なき世界」と「日米関係深化」カードで切り返した格好になる。つまり相手にせずだ。手前勝手な筋書きではそっぽを向かれるだけ。発表会には国際社会が拍手喝采するような台本を用意した方がいい。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • オノデラ
  • 日本仮設
  • 川崎建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,650)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,469)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,113)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (989)
おとなの養生訓 第109回「うろ」 ホタテの〝肝臓...
2017年03月24日 (724)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。