週刊武四郎

2018年05月14日 07時00分

 北海道の名付け親として知られる松浦武四郎は小さいころから旅に憧れていて、16歳の時ついにその思いを遂げるため、親が反対するのを見越して家出した。漂泊の思いやみ難く、というわけだろう

 ▼旅から旅への人生を歩んだ武四郎にしっくりとなじむ逸話ではある。伝記などを読み、そう信じている人も多いのでないか。ところが真相は違うらしい。実は悪事がばれて怒られそうになったため逃げ出したのだとか。その経緯はこうだ。武四郎は当時の学問の師匠平松楽斎が大切にしていた防寒頭巾を無断で道具屋に売ってしまった。師匠が兄を呼び出し事件が発覚。兄が問い詰めようと家に帰ってきたら、武四郎は置き手紙だけ残して既に姿を消していた…

 ▼「松浦武四郎記念館」が監修し、生誕の地である松阪市が発行する『週刊武四郎』で知った話である。この情報紙は歴史作家の河治和香さんが文章を担当。週1回のペースで武四郎の人となりや事績を紹介している。4月に始まったばかりで最新は5号。これがなかなか面白い。家出の話題は4号だが、例えば1号では坂本龍馬との関係を取り上げている。二人が実際に会ったかどうかは不明とした上で「龍馬関係資料の中に、蝦夷地の旅の〈用意ノ道具〉について武四郎さんに聞いた内容がメモとして残されています」

 ▼『週刊武四郎』は51週連載するそうだからこれからもたっぷり楽しめそうである。毎月第2週に本道との関わりについて語ってくれるのもうれしい。同記念館のHPにも掲載されている。興味があればのぞいてみてはどうだろう。


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