宇宙ごみ

2017年02月01日 10時08分

 ごみ屋敷なるものが日本中に案外と多くあるらしい。テレビのワイドショーでも時々話題になるが、近所にそれらしき家があるという人も少なくないのでないか

 ▼近隣住民にとっては迷惑千万な話だろう。衛生上の懸念があるし臭いも気になる。火事だって心配である。家主に苦情を言っても改善されず、トラブルになる例も多いと聞く。どうやら片付けを怠っているうちに、一人では対処できない事態に陥るようだ。知らぬ間に進行し、気付いたときにはすでに手遅れ、近隣は大迷惑、となるのがごみ屋敷の特徴だろう。ところでこれと同じことが宇宙で起こっているとしたら…

 ▼実は今の地球も膨大なごみに取り巻かれ、ごみ屋敷ならぬ「ごみ地球」の様相を呈しているのだとか。役目を終えたり壊れたりした人工衛星や剥がれ落ちたロケットの破片、いわゆる「宇宙ごみ」がその正体である。宇宙航空研究開発機構によると、10cm以上のごみが約2万個、1cm以上10cm未満に至っては約50万個にも上るという。これだけの数になるといつ現役の衛星や宇宙ステーションに当たらないとも限らない。しかも1cmのごみで自動車がぶつかったと同程度の衝撃があるという。ところが責任持って片付ける家主はいない

 ▼そこで日本の宇宙輸送船「こうのとり」6号機が、もう放置しておけぬと清掃に乗り出した。先月28日からわれわれのはるか頭上で除去実験を始めたそうだ。装置の不具合で難航しているようだが、ぜひ成功させてほしい。宇宙に出てまでごみトラブルに悩まされるなど夢がなさすぎる。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 古垣建設
  • web企画
  • 川崎建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,657)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,497)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,123)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (982)
おとなの養生訓 第109回「うろ」 ホタテの〝肝臓...
2017年03月24日 (721)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。