PKO部隊帰国

2017年04月21日 09時45分

 その日が楽しみで待ち遠しくてたまらない。そんな経験、誰にでもあるのではないか。小欄で度々紹介している読売新聞の「こどもの詩」にも、わくわくした気持ちが伝わるこんな作品があった

 ▼「きのうは/あさって/だったでしょう 今日は/あした/でしょう あしたになったら/今日なんだよね 黒部ダム/行くの」。まつざきやす子さん(小3・当時)の「黒部ダム」である。心はもうその日にいるらしい。子どもたちには小さな旅行もうれしい出来事だろう。ただ、仕事で長く家を留守にしていたお父さんが帰って来たとなれば、喜びはそれ以上だったに違いない

 ▼南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣されていた陸上自衛隊第11次隊の第1陣が19日、帰国した。あさって、あした、きょう、と心待ちにしていたその日が、ようやくやって来たのである。もちろん子どもたちだけではない。言葉に出さずとも周囲の人々は皆、安全とは言いかねる地での活動に心が休まる暇もなかったはずだ。「ひさびさにかへり来れる村の上に低く大きく月いでにけり」(土屋文明)。派遣部隊の中心となった第9師団の拠点青森市に降り立った隊員たちも、家族の顔と見慣れた風景に触れ、やっと重い肩の荷を下ろせたのではないか

 ▼今次は「駆け付け警護」付与や消えた日報といった話題ばかり騒がれたが、何よりもまず社会基盤修復や生活支援など現地のため力を尽くした隊員の奮闘にこそ目を向け、ねぎらうべきだろう。ともあれ戦闘で子どもを悲しませる人が出なくて本当に良かった。


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