北海道開発局は19日、北海道胆振東部地震で土砂崩れや流木の被害を受けた厚真ダムの応急復旧状況を報道機関に公開した。自衛隊の応援も得て流木撤去は終え、残る土砂の除去は数週間で終える見通し。農業調査課の都築慶剛課長は「ダムに土砂がかかっていたのはショッキングだが、安全は確保できており、安心してほしい」と呼び掛けている。
厚真川で1970年に農業用水確保のため造成された同ダムは、堤高38m、有効貯水量約950万m³の中心遮水ゾーン型フィルダム。地震の影響で左岸側にある余水吐きが土砂や倒木で埋まった。
専門家と共に被災直後にヘリで現地に入ったところ、変状などは見られず安全性は確保。埋そくした余水吐きに水が流れる余地はあったが、あふれる可能性を考慮し、堤体の崩壊防止としてブルーシートを張った。自衛隊による倒木の除去や道路啓開を13日までに終えた。
土砂撤去などは北海道土地改良建設協会を通して北紘建設(本社・伊達)と緊急随契。作業は13日から始めている。
地震前は台風の影響で水位が上がっていたが、下流にある厚幌ダムの貯水支援で放流を続けているため、19日午後2時現在で満水位より7・2m低くなっている。