オホーツク管内、担い手育成へ
林業の担い手育成に向け、道が2020年の開校を目指す仮称・道立林業大学校。道内各地が本校舎の誘致に手を挙げたが、旭川市内に本校舎を置く方針が7月に決まった。全道の森林面積の14%を占めるオホーツク管内も、本校舎誘致活動を展開してきた一つだ。
本校舎誘致には至らなかったが、オホーツク管内には津別町を中心とした東部地域と滝上町を中心とした西部地域に基礎実習と実践実習の場を設けることとなった。
管内の森林認証面積は日本一で、全国の森林認証面積の約3割を占めるポテンシャルを有する。森林認証は違法な伐木ではなく、適切な管理がされた森林や木材に対して認められる。東京五輪における競技場の整備でも認証済みの木材が活用され、国際的な潮流となっている。このような恵まれた環境で勉強することができる学生は、得るものが非常に多いはずだ。
オホーツク管内への本校舎誘致活動を展開してきた東京農大自然資源経営学科の黒瀧秀久教授は、開校に向けて魅力的なカリキュラムが必要と指摘する。「これからの林業のためにも、将来的に企業の幹部やトップになる人材の育成を見据えないといけない。奨学金制度の充実を含め、魅力的なプログラムが必要。林業関係者以外、例えば大企業の社長やNPOを設立し活躍している人など幅広く講師に招き、生き方や経営戦略などを伝えてもらうのも学生にとって刺激になるはず」と話す。
19年度からは国税として森林環境譲与税、24年度からは森林環境税が導入となる。木伐や森林整備、人材育成のための貴重な財源となる。
森林に手を掛けることは自然災害への備えとしても欠かせない。林業への関心が高まっていくことを願いたい。(網走支局・堀内 翼)(おわり)