橋梁は新冠川など3基残す
室蘭開建が日高自動車道厚賀静内道路で進めている、作工物の整備状況が分かった。全体で橋梁7橋(全て橋長100m以上)とトンネル2本を計画し、このうち、橋長約400mの新冠川橋など橋梁3橋、延長約2000mの静内トンネルが未着工となっている。2020年度は橋長335mの節婦川橋上部、大狩部トンネルの2カ所をメインとしながら、事業進行に応じて橋梁下部などを順次発注していく見通しだ。
日高自動車道は物流効率化や移動時間の短縮、救急医療体制構築などを目的に1988年度に事業化。道央自動車道苫小牧東ICから分岐し、浦河町に至る120㌔を計画延長とする。日高厚賀ICまでが開通済みで、厚賀静内道路16・2㌔を引き続き同開建が整備している。
現在は厚賀IC―仮称・新冠IC間の各作工物の整備を本格化している。厚賀側から順次進んでいて、新厚別川橋の1橋が完成。19年度中には大狩部橋の上部が終わり、同橋が完成する見込みだ。
大節婦川橋は18年度から下部工事に着手。同年度にA1橋台、P1橋脚を出口組、P2橋脚を幌村建設が施工した。
節婦川橋はこれまでにP2橋脚を門脇建設、P3・P4橋脚とA2橋台を出口組、A1橋台をケイセイマサキ建設が整備。19年度は幌村建設がP1橋脚を整備中で、これにより下部が完了する。上部は8月にWTO対象で2件に分けて公告済み(開札は12月5日)で、いずれも3カ年国債を設定している。
初弾工の発注を待つのは稲荷川橋(104m)と神山川橋(144m)の2橋で、それぞれ詳細設計まで完了している。
大狩部トンネルは鹿島・宮坂建設工業共同体で16年度に着工し、20年度の完成を予定する。
続く、仮称・新冠IC―仮称・静内IC間はほぼ未着手の区間で、20年度から用地買収が本格化する見通し。作工物は新冠川橋(438m)と静内トンネル(2010m)の2つで、新冠川橋は18年度に予備設計を中央コンサルタンツが実施した。静内トンネルの詳細設計は18年度にドーコンが進め、それぞれ工事発注を準備している状況だ。
2019年9月26日付北海道建設新聞11面では、日高自動車道厚賀静内道路の長大橋・トンネルの一覧を表で掲載しています。それぞれの作工物の規模・概要のほか、設計者もご覧いただけます。ご購読、お問い合わせはこちら。