GSOMIA失効へ

2019年11月19日 09時00分

 一度言い出したら後でそれが間違いだと分かっても、断固として主張を変えない強情な人が世の中にはいる。誰もが一人や二人、すぐさま思い浮かぶ顔があるのでないか

 ▼江戸時代初期の仮名草子『清水物語』にも「榎の実は成らば成れ、木は椋の木と言ひたる」の一文がある。「この木は椋」と言った男が後でその木に榎の実が成ったのを見ても、「何の実が成ろうとこれは椋だ」と言い張り前言を撤回しなかった。明らかな勘違いで、はたから見るとばかばかしい話である。言った本人が突っ張って得することは一つもない。「またあの人か」と評価を落とすだけだろう。ところでこれは国と国との関係でも同じ。どうやら今回もそんな様相を呈してきた

 ▼日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の件である。東アジアの安全保障分野で協力関係にある日本と米国が繰り返し延長要請をしたにもかかわらず、韓国は断固として協定廃棄の方針を変えない。理由は「日本が先に輸出規制を撤回しないから」。軍事転用可能な工業製品を日本から大量に輸入しておいて、行方知れずにしているのだから輸出管理を厳しくされても仕方がない。ずさんな態勢を棚に上げ、筋の違うGSOMIA拒否であだを討とうとしているのが今の韓国の姿である

 ▼「何の実が成ろうと、これはとにかく日本が悪い」というわけだ。韓国の文在寅大統領が15日にエスパー米国防長官と会い、延長しない意向をあらためて伝えた。これで今月23日の失効はほぼ確実である。この強情な態度で得をするのはいったい誰なのだろう。


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