大雪の影響で5日から通行止めとなっている国道236号野塚峠では、野塚トンネル広尾側坑口[MAP↗]付近で延長80㍍にわたって雪崩が発生した。維持を担う高堂建設(本社・帯広)が9日に除去作業を完了させたが、降雨や気温上昇による融雪が懸念されるため、通行止めは引き続き実施。2次被害防止へ細心の注意を払っている。
北海道開発局は5日午前5時、236号広尾町上トヨイ基線―浦河町上杵臼間(27・8㌔)の通行止めを開始。天気が回復した翌6日午前8時、現場入りした同社が雪崩を確認した。雪崩は道路や駐車帯を覆うほどで、延長80m、幅10―25m、厚さ2m程度と判明。体積は3000m³に上った。
作業は日照のある時間帯に限られるため、午前7時から午後5時までの間に実施。バックホーと除雪ロータリー車各2台と人力除雪に当たる作業員4人を中心に総勢10人で6日から毎日、除去作業に取り組んだ。
雪崩発生後は法面が不安定となり、作業時は2次被害の発生に細心の注意を払った。除雪を終えても、現場代理人の山内賢二維持第1課長は「雨の予報で先が見通せない」と話すなど、予断を許さない状況だ。
2年前の同時期も大規模な雪崩が野塚トンネルを襲い、維持業者の懸命な作業が実を結んだ。十勝と日高の結節点として地域に欠かせない236号。安全で安心な道路の確保へ、抜本的な対策も急がれる。
(北海道建設新聞2020年3月11日付7面より)