民間宇宙船発進

2020年06月02日 09時00分

自動車の歴史は意外と古く、1700年代後半には既にフランスで蒸気自動車が使われていたという。もっぱら軍隊で大砲運搬の用に供されていたようだ。日本はまだ江戸中期で、人の移動はもちろん物を運ぶにも人力か馬に頼るしかなかったころである

 ▼自動車の用途が広がり、普及を始めるのはそれから100年後のこと。ドイツでダイムラーやベンツが、扱いやすいガソリンエンジン車を売り出してからだった。その後は皆さんご存じの通り。各社が競い合うことで自動車の質は上がり、コストは下がっていった。ある製品が一般の人の手に入る段階に達するには、これと同じ過程を経ることが多い。宇宙船もそれは変わらないのでないか

 ▼米国は5月31日午前4時22分(日本時間)、民間企業の「スペースX」が開発した有人宇宙船「クルードラゴン」の打ち上げに成功した。同午後11時過ぎには国際宇宙ステーションに到着し、飛行士の移乗まで完遂。本格宇宙開発に民間が参入する画期的出来事だった。プロジェクトは米国がスペースXとボーイングの2社に委託して進めたそうだ。競争により技術開発が速まり、経費も大幅に削減された。しかも宇宙船の操作はタッチパネル式となり扱いやすさが格段に向上したのだとか

 ▼このままいけば100年後には、誰もが宇宙旅行を楽しめるようになっているかもしれない。クルードラゴンの試験は今回が最後。次回からは運用段階に移る。8月30日に打ち上げが予定される1号機に搭乗するのは日本人宇宙飛行士の野口聡一さんだ。それも楽しみである。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 川崎建設
  • オノデラ
  • 日本仮設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,634)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,471)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,112)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (961)
おとなの養生訓 第109回「うろ」 ホタテの〝肝臓...
2017年03月24日 (702)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。