その映画はかなり血湧き肉躍るエンターテインメント作品であるらしい。2017年の封切りで、見てはいないが当時も何かと話題になったため筋立ては知っている。こんな内容だった
▼だまされて生まれ育った国から別の国の炭鉱島に連れてこられた人々が、奴隷のように働かされている。ある日、ひどい扱いに耐えかね人々は蜂起。壮絶な戦いの末に島からの脱出に成功するのだった。韓国映画『軍艦島』である。スタローン主演の『ランボー』のように虚構を楽しむならいいが、韓国にはこれを実話と信じる人もたくさんいるらしい。軍艦島とは長崎市の端島のこと。明治期から海底炭鉱で栄え、朝鮮からの出稼ぎ者も多かった。そんな事情と太平洋戦争が重なり、朝鮮人強制労働説が広まったようだ
▼端島は2015年に「明治日本の産業革命遺産」としてユネスコ世界遺産にも登録されている。韓国は今回、これを狙ってきた。おととい、ユネスコに登録取り消しの可能性を示唆する書簡を送ったという。韓国の動きを見越し、政府は15日から産業遺産情報センター(東京)で「朝鮮半島出身者への差別はなかった」とする元島民証言を一般公開した。数々の資料も賃金含め待遇が日本人と変わらなかったことを裏付けている
▼韓国の反日を実証的に研究する李栄薫氏は編著書『反日種族主義』(文藝春秋)で、『軍艦島』の米国向けPRに使われた写真が北海道開拓時に日本人を写したものだった事実を明らかにした。うその歴史を教えられた韓国人もいわば被害者である。早く真実に気付くといい。