現道北側にトンネルを検討 236号野塚防災別線ルート

2022年01月10日 10時00分

西坑口付近で橋梁新設 帯広開建が22年度詳細設計

 帯広開建は、236号野塚峠の約2.9kmで安全性を高める別線ルートの検討を進めてきた野塚防災について、北側に設ける別線の大半をトンネル1本で整備することに決めた。西側の坑口付近には橋梁1橋を新設。3月にまとまる概略検討や地質調査などの結果を踏まえ、2022年度当初予算で新設トンネルと橋梁の詳細設計に取り組む。

 覆道が連続する広尾町内の野塚峠は、近年相次ぐ大雨で土砂流出が頻発。浦河町との境となる野塚トンネルは広尾側坑口で雪崩が起きやすい。有識者との検討会を経て19年度、トンネル新設による別線確保と野塚トンネルの雪崩対策を図る改築防災を事業化。総事業費は120億円と試算している。

 別線を設けるのは川見地区で、大函橋東側から二股覆道を含む区間までの現道約2.9kmに当たる範囲。谷があるためトンネルを複数箇所に開設する可能性もあったが、新ルートの大半を仮称・川見トンネルとして1本にまとめる。周囲は国有林のため、着工に備えて保安林解除をする。

 西側の坑口付近は豊似川(広尾町管理)と交差することから、仮称・豊似川橋を架設。中小河川のため、1径間で橋長50m以内の規模となる見込みだ。

 川見トンネルの地質調査は大地コンサルタントが担当。坑口の場所選定を含む道路概略検討と、環境調査、地質解析はドーコンで進めている。各業務結果を踏まえ、22年度早期に詳細設計へ取り掛かる。

 また、野塚トンネルの広尾側坑口ではスノーシェルターなどを設置して路面への雪崩を防ぐ。18年3月の被害を踏まえて事業化したが、20年3月には別方向の雪崩が発生。道路概略検討の中であらゆる可能性のシミュレーションをし、対策方針を決定するとしている。

(北海道建設新聞2022年1月5日付2面より)


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