登別市は、JR室蘭本線で分断されている鷲別・栄町地区と新生・若草地区を結ぶ跨線橋新設に向け、道道での「整備検討」を道に要望してきたが、津波避難道路として要望内容を「整備」に格上げする考えだ。両地区は平面交差の鷲別学田通り踏切から富岸西路線踏切までの間が2600mと長く、線路山側にある高台までの安全な避難路整備が求められている。
線路より山側の新生・若草地区は区画整理事業などによる人口増で朝夕の通勤時に踏切2カ所がある市道や、これに接続する国道36号で渋滞が発生している。当初は交通渋滞解消を目的とした立体交差事業を求めていたが、2011年の東日本大震災発生以降、災害時の避難路としての整備検討を要望してきた。
近年、市民の防災意識が高まり、地区の町内会から避難道路の整備を求める声が多くなったため、要望内容を格上げする考え。3月の成案化を目指す市都市計画マスタープランの素案にも施策として「鷲別地区の鉄道横断立体交差検討」を盛り込んだ。立体交差事業は津波の際の安全面から跨線橋新設を想定する。
登別市内にある室蘭本線との立体交差箇所は、幌別地区の道道登別室蘭インター線ときめき橋(橋長203m)と、鷲別地区で室蘭市との行政区域界を通る道道室蘭環状線の鷲別アンダーパスの2カ所となっている。