役場庁舎は建て替え方針
遠軽町は公共施設個別施設計画を策定した。期間は2022―29年度の8年間。対象285施設のうち、耐用年数を超えて使用できるよう大規模改修する「長寿命化」は、町図書館をはじめ、丸瀬布森林公園いこいの森や清川浄水場など18施設に上る。老朽化が進んだ施設を建て替え、原則として床面積を縮小する「更新」は、町役場総合庁舎のみ。財政効果は22―31年度の試算額で、単純更新だと297億円必要になるが、本計画の方針を実施した場合は176億円となり、120億円程度削減できるとした。
町が保有する公共施設は1970年代から90年代に建設されたものが多い。老朽化が進み将来的に建て替え時期を迎えることに加え、人口減少、少子高齢化で町の財政が厳しくなることも予想されている。
そこで、公共施設などの適正配置や、効果的な運営の方向性を示すため16年に公共施設等総合管理計画を策定。個別施設計画では、人口構造の変化を見据えた公共施設の全体面積縮減や施設の複合化・集約化、長寿命化による資産の有効活用などを基本として、施設ごとの取り組み方針をまとめた。
対象計285施設の今後の方向性として、長寿命化、更新のほか、対応策などの検討が177施設、維持が65施設、廃止が21施設、減築が3施設となっている。
更新の方針を示した町役場庁舎は72年に完成。RC造、地下1地上3階塔屋1階、延べ4365m²の規模で、遠軽地区広域組合消防本部・消防署庁舎が併設している。築後50年近くが経過し老朽化が著しいことから、町は22年度、新庁舎建設の是非を判断するとしている。
長寿命化の方針を示したのは町図書館をはじめ、丸瀬布森林公園いこいの森や遠紋地域人材開発センター、遠軽農林水産物直売・食材供給施設「ふぁーらいと」、高齢者共同生活支援施設「みのり荘」、「第2みのり荘」、保健福祉総合センター「げんき21」、老人デイサービスセンター「ひまわり」、白滝高齢者総合生活福祉センター「ほのぼの」、白滝総合支所、社名淵地区飲料水供給施設、清川浄水場、瀬戸瀬浄水場、丸瀬布浄水場、学田配水場、豊里配水場、留岡配水場、六郷聖苑となっている。
このうち、町図書館はRC造、2階、延べ1447m²の規模で95年に完成。劣化状況はA―Dの4段階評価で、躯体や屋根、外壁が軽微な対応を要する、または引き続き観察を続けるB判定となり、23年度に内部改修を予定する。
また、既に更新時期を迎えている丸瀬布森林公園いこいの森や、今後、更新時期を迎える清川浄水場、瀬戸瀬浄水場、高齢者共同生活支援施設などについては、老朽化に対応するための長寿命化に向けて引き続き観察を続ける。