札幌・平岸に上位グレード賃貸提供へ UR都市機構

2023年01月04日 08時00分

1棟丸ごとリノベーション ペット共生可など周辺物件と差別化

 独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)は、札幌市平岸にあるUR団地で1棟丸ごとリノベーションした上位グレードの賃貸住宅を提供する。2棟計104戸を対象に室内や水回り、エントランスなどを改修。ペット共生を認めるなど周辺の物件と差別化を図る。リノベによる施設機能を高めたUR住宅は全国でも珍しいケース。2023年3月から入居開始を予定する。施設北側にある3号棟も同様の改修を施す計画で、さらに物件を増やす考えだ。

1LDKのモデルルーム内観(UR都市機構提供)

 札幌市豊平区平岸2条4丁目にある新木の花団地1、2号を「サンラフレ平岸」として再生する。地下鉄南北線平岸駅が徒歩圏。新築分譲、賃貸マンションの立地として人気の高いエリアだ。

 2棟は新築時の03年から市営住宅として市に貸し出していたが、23年2月に返還される。1号棟(RC造、7階)と2号棟(RC造、9階)を、ことし4月から工事を進めてきた。間取りはそのままに全戸で内装を更新。キッチンやトイレ、化粧台などの設備を取り換えている。外壁の補修や塗装、エントランス部の内装更新にも取り組んだ。23年1月に工事を終える。

 全戸、猫や小型犬のペット可物件で、室内の床をクッションフロアにした。25年をめどに敷地内でドッグラン整備も計画している。

 上位グレードの賃貸住宅を決めたのは、西側の区画にある現UR都市機構新木の花団地6棟と差別化を図るためだ。UR都市機構の担当者は「1棟丸ごと戻ってくる例はほぼなかった。そのままの状態で市場に出しても、他と同じ家賃帯であれば需要を食い合ってしまう可能性がある」と説明。施設機能を充実させるとともに賃貸料金を通常よりも1万-1万5000円程度高めに設定し、「UR住宅に関心が無かった層を取り込むことができれば」と話す。

 間取りは1-3LDKの3種類。月額家賃は1LDK(42m²)が6万円台、2LDK(66m²)が8、9万円台、3LDK(74m²)が9万、10万円台に設定している。月額共益費は7200円かかる。23年1月から申し込み受け付けを開始。担当者によると、一般だけでなく法人からも社宅として問い合わせがあるという。

 24年12月には施設北側の3号棟が市から返還される。こちらも24年にフルリノベーションを施す考えで、25年1月の提供を目指す。


関連キーワード: さっぽろ圏 住宅

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • web企画
  • オノデラ
  • 日本仮設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,640)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,466)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,113)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (983)
おとなの養生訓 第109回「うろ」 ホタテの〝肝臓...
2017年03月24日 (721)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。