札幌市が総合評価を大幅見直しへ-地域貢献、人材育成に重点

2015年02月16日 19時23分

 井上唯文札幌副市長は、16日の第1回定例市議会の代表質問で総合評価方式を大幅に見直す考えを示した。地域貢献や人材育成に重点を置いた型式を設ける考えで、地域防災活動や除排雪の実績などを評価するタイプと、新規学卒者の雇用や女性技術者の活用などを評価するタイプの2型式を想定している。村松正海氏(自民党・市民会議)の質問に答えた。

 村松氏は、地元建設業者の健全な発展に向けて、今後の市の考えをただした。

 これに対し井上副市長は、総合評価方式に関し現行の品質確保を重点に置いた型式に加え、地域貢献や人材育成に重点を置いた型式を導入することを表明し、これにより防災活動などに尽力している企業を支援していく考えだと強調。

 さらに入札不調の改善策については、不調となった工事で入札参加者に見積もり書の提出を求め、予定価格を積算する見積もり活用方式などを採用する考えにも言及した。

 老朽化が進む市役所本庁舎の建て替えも視野に入れた西1、2丁目街区全体のまちづくり方針に関する質問には、上田文雄市長が答弁に立ち、「大通交流拠点と一体となって都心の魅力とにぎわいを質的、区域的に拡充する必要がある」とした上で、「一体的に都市開発することで時計台や大通公園、市民交流複合施設などの地域資源の魅力を高め、交流拠点を形成していく。市役所本庁舎の在り方など最も有効な土地利用を、新しい市長や市議会の下で大いに議論してほしい」と期待を寄せた。

 北区の篠路出張所建て替えについては、生島典明副市長が「1975年に改築したものでまだ建て替え時期ではないが、2018年度ごろの事業化を目指している篠路駅周辺地区の区画整理や再開発などのタイミングを逃さず、機能や規模の検討を進めたい」と述べた。

 生島副市長は丘珠空港の防災拠点としての活用を問われると、「道内外の大災害に備え、丘珠空港の役割維持と機能強化が重要」との認識を示し、現在石狩市にある消防ヘリコプター基地について、「立地条件や関係機関との連携を考えると、基地が空港内にあることは有効。道と消防局による消防連携強化連絡会議の協議を踏まえ、基地の空港内移転を検討したい」と答えた。

 一方、民主党の峯廻紀昌氏(民主党・市民連合)は、市有建築物の配置基本方針と、学校規模適正化に伴う学校統合の関係について質問。

 生島副市長は、学校規模適正化の取り組みは学校小規模化に伴う課題に対応するもの、配置基本方針は小学校区に相当するエリアに日常生活に必要な機能を配置し、そこを拠点として多世代交流の場を創出するものと説明。

 その上で「基本的には小学校の複合化により拠点を形成していくが、学校規模適正化の検討の中で、仮に統合により小学校がなくなる場合でも、そのエリアの実情に応じて地域コミュニティーの地域機能を確保していく必要がある」と指摘。

 学校統合や複合化に伴う跡施設の活用については、「耐用年数が経過していないなど活用可能な資源がある場合は、さまざまな地域ニーズに対応するため、地域の団体や民間事業者を含めた多様な主体により跡施設を活用するなど、地域コミュニティーの活性化を図りたい」と考えを述べた。


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