新幹線開業を観光振興に生かせ-函館、後志の4首長が懇談

2015年04月16日 19時26分

 2016年3月の北海道新幹線開業を見据え、観光連携を強化してその効果を最大限享受しようと15日、函館市内で函館、小樽、ニセコ、倶知安の各首長らが懇談した。函館圏とパウダースノーで人気のニセコ圏とでは観光の主力シーズンが異なる点を踏まえ、相互に補完し合えることを確認。両地域を結ぶ2次交通の充実や周遊ルートの構築に向け、より連携を深めることを申し合わせた。

 ニセコ、倶知安、蘭越の3町で構成するニセコ観光圏は、長期滞在型のスキーリゾート地として人気。来年の新幹線開業効果を約170㌔離れた後志管内にも呼び込もうと、ニセコ町の片山健也町長、倶知安町の西江栄二町長、小樽市の貞村英之副市長の3人が函館市を訪れた。

 片山町長は「今シーズンは延べ宿泊者数45万人を超える見通しで、カナダ、アメリカ、ヨーロッパからの増加が顕著。在来線を活用して函館を訪問する客も多い」と報告。北海道縦貫自動車道七飯―大沼間の早期整備をはじめ、バスやJRなど2次交通の充実を図ることの重要を強調した。

 工藤寿樹函館市長は、ニセコ圏と函館とは主力シーズンや外国人客の国籍が違うことから、往来が活性化すると新たな需要が創出されるのではと期待。新幹線開業に向けて「北関東、南東北への集中プロモーションを考えている」とし、共同での売り込みを歓迎した。

 さらに、函館の特長として3分の2が道外客で宿泊が多く、リピーター率も高いことに触れ「2、3度訪れている人は、函館から次の目的地へと足を延ばす。新規開拓の可能性は大きい」と述べ、一体的な観光情報発信を呼び掛けた。

 懇談終了後、片山町長は「2次交通はバスのほか、在来線も重要。地元からJRに働き掛け、質を上げていく必要がある。道央・道南圏の底上げを図れるような連携ができれば」と話し、西江町長は「ニセコ圏までは新千歳空港からも函館からもバスで約2時間半。冬場は天候に左右されない新幹線の利用が増える」との見通しを示した。


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