当麻町が役場庁舎を買い取り式プロポで改築へ-6月までに公告

2016年02月26日 19時31分

 当麻町は、役場庁舎改築に買い取り方式の公募型プロポーザルを採用する。6月までに公告し、夏にも設計・施工を一括で担う事業者を選定する予定。役場機能のみの施設を同方式で整備するのは、全国でもあまり例がない。2016年度の基本・実施設計を経て、17年度に着工。2カ年で施工し、19年4月の完成・全面供用開始を目指す。総事業費は13億円を見込んでいる。

 町はこれまで、町産材を活用した公営住宅や公園、拠点施設といった公共施設整備に設計・施工一括の買い取り方式を取り入れてきた。15年度に整備を進めている木育推進拠点施設の買い取り予定価格は5億3000万円。これらの実績を踏まえ、工期短縮や費用縮減などの面で効果が高いと考え、同方式を採用することにした。

 基本構想によると、新庁舎の規模はW造、平屋一部2階、延べ2000―2500m²程度。用いる木材は全て町産材とするため、今後、町森林組合で生産スケジュールなどの調整を始める。加えて、町内で発生する木材を使った木質バイオマスボイラの導入を検討するなど、森林資源が豊富な地域特性を生かし、新たな「まちの顔」として整備する。

 春からの住民を交えた検討委員会で策定する基本計画に沿って設計・施工を担う事業者を公募。これまでに町が実施した同方式では、複数の企業グループによる技術提案を受け付けた後、コンセプトや地域特性への配慮などを総合的に評価し、最優秀者を選定する流れだった。

 建て替えのスケジュールは、16年度の設計後、17年度に現庁舎西南側敷地で、新庁舎の約半分を建設するⅠ期工事に取り掛かる。18年度は、役場機能をⅠ期工事の完成部分や隣接する公民館などに移し、既存庁舎の解体に取り掛かる。解体跡地に残り半分をⅡ期工事として整備。外構調整などをしながら、最終的に1棟の新庁舎として19年度から全体運用を開始する。

 26日に発表した16年度予算案には設計費として1億円を計上。会見で菊川健一町長は「過度な建物は造らない。町産材を活用した親しみある庁舎として、ワンストップ窓口の設置など新たなサービスの展開を図りたい」との方針を示した。

 建設地は当麻町3条東2丁目11の1の現庁舎敷地内。現庁舎はRC造、地下1地上3階塔屋2階、延べ3515m²の規模で、1973年に建設した。耐震性能不足や著しい老朽化のため、建て替える。


関連キーワード: 建築

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 日本仮設
  • 川崎建設
  • web企画

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,624)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,453)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,105)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (971)
おとなの養生訓 第109回「うろ」 ホタテの〝肝臓...
2017年03月24日 (713)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。