厚真町が公募していた古民家「旧山口家」を活用する事業者が、ワタミ(本社・東京)の関連会社に決まった。地元食材を使用したカフェレストランや6人程度泊まれる民宿の運営を計画しているという。町は2018年6月にも旧山口家の移築・再生工事を発注。同年内に完成させ、19年1月に同社と賃貸契約を結ぶ方針だ。
町は、古民家を再生して地域の拠点や観光資源化することによる活性化を推進している。14年度には豊沢地区のフォーラムビレッジ内に旧畑島家を移築。既にカフェを併設したパン製造・販売店として活用されている。1909(明治42)年に鹿沼地区で建設された旧山口家も、この隣接地に移築する。
活用に向け、町が7月から公募していた事業提案には2者が応募。1次審査とプレゼンテーションによる2次審査で、同社の事業案が選ばれた。
総務省の地域おこし企業人制度で同社から町に出向している小松美香さんによると、ハスカップなど地元食材を使用した料理などを提供するカフェレストランのほか、6人程度宿泊できるようにする。
小松さんの出向期間は18年3月まで。4月以降は、同社が町内に開設する事業所で開業に備える。小松さんは「古民家ならではの体験やイベントを考えていきたい」と話している。
旧山口家移築・再生に向けた設計は札幌企画設計で進めている。移築・再生工事費は、国の交付金活用を視野に、町の18年度予算で確保する。
町は、現存している古民家のうち朝日地区にある古民家「旧幅田家」の寄贈も受けている。時期や場所は未定だが、やはり観光資源化による活性化事業に役立てるために移築を考えている。