池田町は、2019年度にブドウ・ブドウ酒研究所(通称・ワイン城)の改修に着工する予定だ。建物の耐震化や設備の長寿命化修繕とともに、観光地としての魅力向上に向けた改修を進める方針。18年度は全ての改修を対象に実施設計を進め、19年度の工事内容を固める。
清見83の3にあるワイン城(RC造、地下2地上4階、延べ4174m²)は1974年の建設。耐震改修と合わせて老朽化した配管設備やボイラの長寿命化修繕、観光地としての魅力向上に向けた内外装の改修を計画した。
魅力向上については、北大観光学高等研究センターと提携を締結。同センターは地元住民を対象にしたワークショップや施設内のテナント業者との面談を通して、改修に関する基本構想を17年度にまとめた。
基本構想では、「町民が集うワイン城の回帰」をテーマにした。ワイン城の後方に並ぶA―D倉庫や瓶詰め工場について、C倉庫ではスパークリングワインの一連の工程を移し、観光客が見学、試飲できるスペースを設けることとし、先行して、17年度に改修工事を実施した。C倉庫とD倉庫、瓶詰め工場に囲まれて位置する駐車場は中庭として芝生を造成しイベント会場として活用する。
ワイン城本体に関しては、1階のショッピングエリアは酒類のほかに特産品なども置いているが、ワインとブランデーに特化して整理する。地下2階のワイン熟成庫にはカウンターバーのような滞在スペースを設ける。地上2階は1階の吹き抜け部分と窓で仕切られているが、窓を取り除いて開放感を演出する。セミナールームはフリースペースとしてガイドツアーの発着点などに活用。バーカウンターも設置する。
ワイン城への出入りは、今は施設裏側にある出入り口で行っているが、正面中央のエントランスに移す考えだ。
町は、18年度に実施設計を進めるとともに、基本構想を基に町の収支計画と照らし合わせ実現できる工事を選定する考え。耐震改修は、耐震診断をした当初にはブレースや耐震壁の設置などを想定していたが、城のイメージを損ねない方法ができないかを再度検討する。