▼きのうは朝から晴れ晴れとした気持ちで仕事に出掛けた人が多かったのでないか。われ知らず鼻歌が出たかもしれない。「進めファイターズ 勝利の男」。北海道日本ハムファイターズが28日、リーグ優勝を決めた。4年ぶり7度目の快挙である。マジックが点灯してからビールを冷やし、毎日、テレビにかじりついていた人もいただろう。少しお預けを食っただけに、祝勝のビールの味は格別だったはず。
▼それにしても、優勝決定試合を完封で飾った大谷翔平投手の力ときたら。9回裏西武の攻撃でフォアボールを出したときは、ついに若さが露呈したかとハラハラしたが取り越し苦労。最後の打者をきっちりレフトフライに仕留めた。二刀流といい、やはり並の選手ではない。もちろん首位ソフトバンクに11・5ゲーム差(6月)をつけられたところから大逆転できたのは、個々の選手の技術の高さとチーム力のたまものだろう。加えて決して諦めない姿勢も日ハムの大きな魅力である。
▼栗山英樹監督は試合後、「選手は北海道の誇り」と語っていた。その通りだ。「九つの 人九つの あらそひに ベースボールの 今日も暮れけり」(正岡子規)。野球は9人対9人で争うスポーツだが、彼らに託してわれわれも一緒に戦わせてもらっている。そのことがどれだけ勇気や元気になっているかしれない。これからクライマックスシリーズ、日本シリーズと続く。当然、狙うのは日本一である。日ハムで「今日も暮れけり」の日々がまだあると思うと、楽しみでならない。