適切な量刑とは

2017年02月28日 09時26分

 生命保険の保障内容を検討したことがある人はよくご存じだろう。本人は死亡保障のつもりで加入していても、保険金は死亡のときだけでなく高度障害に陥ったときにも支払われる場合が多い

 ▼高度障害とは両目の視力を完全に失ったり、両上肢または下肢が永久に使えなくなったりと生活に重大な支障がある状態。想像するとぞっとするが、死亡でなくとも保険金が出ると聞けば、いくばくかの安心感もなくはない。主な稼ぎ手を失うことによる痛手から家族を守るのが保険の役目であってみれば、条件をしゃくし定規にしないのは理にかなっている。これも客商売だからこそ

 ▼そこへいくと法律は融通が利かない、と文句の一つも言いたくなる。東京都小金井市で昨年5月、タレント活動をしていた女性が岩埼友宏被告にめった刺しにされた事件のことである。女性は一時重体となったが幸い命を取り留めた。それは良かったのだが、岩埼被告は殺人未遂となり初公判での検察求刑も17年にとどまってしまった。犯行の非道さ、女性が負わされた心身の傷を思えば、殺人罪同様の量刑でもおかしくないのだが。被害者を守るのが刑法の役目ではないということだろう

 ▼しかもこの男、反省する様子がない。何度も刺しておきながら、女性が「生きたい」と言うから助けてやったとの態度。しかも勇気を奮って出廷した女性に「じゃあ殺せ」と言い放つ始末だ。これでも模範囚なら10年程度で出所してくる可能性があるらしい。何とか出所後の女性保護にくらい万全は期せないものか。判決はきょう下される。


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