文春砲の舞台裏?

2017年05月19日 10時00分

 スマホ全盛ゆえ、以前ほど注目度は高くないのかもしれないが、電車に乗るとつい見上げて読んでしまうのが雑誌の中づり広告である。同好の士は案外多いのでないか

 ▼TBSの情報番組『噂の!東京マガジン』にはかつて、各誌の中づり広告を比べ、どれが一番面白いかを決める「今週の中吊り大賞」のコーナーがあった。移り気な車中の客の目を引き付ける工夫がさまざまあり、毎週興味深く見ていたものである。感情を強く揺さぶる言葉ながら、中身についてはよく分からない。かゆい所をつくって、しかも手は届かせないのが中づりのいわばお約束である。元は阪急電鉄創業者小林一三の発案との説もあるくらいだから、乗客に長く親しまれてきた媒体ではあるのだろう

 ▼しかしこの中づり、どうやら乗客ばかりかライバル誌にまで親しまれていたらしい。「週刊新潮」がきのう発売の最新号で、「週刊文春」を発行する文芸春秋の担当者が、自誌の中づりを発売前に不正入手していたと告発したのである。事前に新潮の情報をつかみ、単独スクープを防いでいたという。発売2日前に出版取次会社に渡される中づりを文春が借り、コピーしていたらしい。このところ「文春砲」と呼ばれ波に乗る文春だけに、新潮のやっかみかとも思ったが、取次会社も経緯を認めているとのこと

 ▼事実ならライバル誌の中づりまで「文春砲」の的にしていたわけである。文春は不正を真っ向否定しているためどちらが正しいかはまだ分からない。ただ、しばらくは両誌の間で熱い中づり合戦が繰り広げられそうだ。


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