石狩市にある道の駅「あいろーど厚田」が開業して半年を迎えた。日本海が広がる国道231号沿いにあり、食や景色を楽しもうと4月27日の開業から10月27日までに約55万人が来場。当初見込んでいた年間来場者数20万人を大幅に上回り、にぎわいの創出や知名度向上につながった。客足が鈍る冬期間を迎えるが、イベント開催や情報発信を通して来春に備える考えだ。
市企画経済部商工労働観光課の中西章司課長によると、札幌市を中心とした近郊からの来場者が多い。特徴的なのは、夏を中心にバイクや自転車で訪れる人がいることで「道外の人は小樽でフェリーを降りて北上している」と話す。
開業直後は231号で渋滞が多く発生したため、国と協力して解消に努める考えだ。
施設内には、土産物店のほか、ピザやジェラート、そばと地元の食を味わえる多彩なテナントが並び「厚田産ニシンと数の子のばってらは、石狩ならではの商品で人気」と言う。立地的に海産物への期待が大きいため、冷凍品など加工品の商品数を増やす考え。さらに全テナントが来春に向けた新商品を検討している。
これから冬期間を迎えるに当たり、一部のテナントは休業する。ただ、水彩画展や厚田在住の芸術家による展覧会、写真展、クリスマスコンサートなどイベント会場として施設を有効活用し、来場者の確保を図る。
また、姉妹都市を結んでいる石川県輪島市と沖縄県恩納村で石狩の特産品を販売する戦略を持っているほか、北海道貿易物産振興会と連携した商談会やどさんこプラザへの出店、インターネットによる販売などを計画。「暖かくなったら来てもらえるよう、冬のうちにPRしたい」と語る。
テナントや物販でのこれまでの売り上げは約2億5000万円。周辺にあるキャンプ場や海水浴場、朝市の来場者数が増え、経済効果とともに「厚田」という知名度向上を実感。「渋滞解消や商品確保、客単価向上など課題は多いが、来場者数の維持に励みたい」と意気込みを語る。