空知建設業協会(砂子邦弘会長)が初めて実施した、空知管内全ての高校、短大を訪問し、建設業の魅力をPRする取り組みが全日程終了した。全校を訪れた大崎里志事務局長は活動を振り返り、「建設業のPR不足を感じた。先生たちにはこの業界のことが伝わっていない」との感想を述べている。
同協会では、今後5―10年程度のスパンで考えた際、建設業に入職する若者がいなくなるという危機感を強めていた。そこで協会として管内の医療系の高校を除く22の高校と2つの短大の進路指導担当者と面談し、建設業のやりがいや魅力をPRするとともに、インターンシップの受け入れを積極的に実施している現状を説明することにした。
訪問は、大崎事務局長と入職促進特別委員会のメンバーが中心となって11月14日から開始。建設業の魅力PRでは、3Kから新3K(給与、休日、希望)へと変貌を遂げつつある、働き方改革が進み働く環境が変わってきている、造っているものが形になるという楽しみがある、災害復旧やインフラ整備をすることで地域を守っているという使命感があり、希望の持てる産業である―ということを強調。このほか、会員企業各社が積極的にインターンシップの受け入れをしていることも紹介した。
大崎事務局長によると、学校側からは「建設業に入ったら冬場は失業手当をもらうのか」「冬は本州に出稼ぎに行くのか」「建設業は3Kが浸透し、イメージが悪い」など実態が正しく理解されていないことや、悪いイメージが定着していると実感したという。また、今の生徒たちには製造業や公務員が人気の業種で、地元の建設会社に入社する生徒は各学校で0―5人ほどだということも分かった。
今回の訪問では、来年度、授業の1コマを使わせてもらうことも依頼したが、関心を示す学校もあったため、実現すれば協会として学校に出向き、直接生徒たちに建設業のやりがいや魅力などを説明する考えだ。
今後は来年2月末をめどに全学校にインターンシップの案内を出すほか、秋には建設業への関心を示した学校に再度訪問することも検討している。
大崎事務局長は「今回の訪問では、建設業を明るいイメージでPRしていく必要があるというヒントももらった。これからは一人でも先生が参加してくれるなら、小まめに現場見学会をやるなど対応していきたい」と話している。