岩内町は2019年度、都市公園に指定している含翠園(がんすいえん)の改修で、基本・実施設計や保存の基本方針を策定する考えだ。最短で20年度の着工を想定している。
岩内町高台の岩内神社参道沿いにある含翠園は、初代岩内町長を務めた豪商・梅沢市太郎が所有した別荘の一つ。1920(大正9)年ごろに建設されたW造、平屋の家屋と、1897(明治30)年から1913(大正2)年ごろにかけて造成した日本庭園で構成している。
15年度に都市公園に指定し、町営管理に移行。家屋の老朽化が著しく、庭に枯れ木が放置されているほか、薄い金属製の塀が景観を損ねているため、町の歴史を伝える貴重な施設として保存、整備に取り掛かる。
老朽化が進行している書院造りの家屋(茶室)の保存修復、日本庭園の手入れ、塀の取り換えなどを計画する。
19年度予算で基本・実施設計費1714万1000円を措置。遅くとも夏ごろには発注する予定で、業務期間は20年3月末までの見込み。
並行して専門家からの意見を集めながら保存方針を固める考えで、必要があれば保存委員会設置も検討する。着工時期は、保存方針が未定のため流動的だが、早ければ20年度となる。
(北海道建設新聞2019年5月13日付15面より)