公共、民間の大型建築や注文住宅を専門とする須藤建設(本社・伊達)。1日付で、子会社の有限会社スドウホームを吸収合併した。札幌と千葉、海外資本の投資が盛んなニセコにも支店を構え、業容を拡大する同社。合併により、待遇改善や就職活動中の学生に対するアピール度を高め、人材確保につなげる。その狙いや将来展望を須藤正之社長に聞いた。(室蘭支局・高橋 秀一朗記者)
―合併したスドウホームは、どのような会社か。
もともとは約40年前に設立した大工集団の会社で、須藤建設とは別会社だった。これが、1980年代に当社が受注した工事の下請けを最優先に受注する子会社として、有限会社スドウホームになった。
住宅、建築物を造る上で、職人の安定した技術が大切な存在となる。そこで、スドウホームという専属的な大工集団組織を立ち上げた。
―合併で具体的にどう変わるのか。
まず、スドウホームの17人のうち、13人を正社員として、4人を専属大工という肩書きで須藤建設の従業員とした。正社員にはスマートフォン貸与などをしたほか、これから土日祝日の休日取得、給与面などについても改善を図っていく。
また、きつい仕事だと認識されている大工の仕事を、須藤建設の一部門という形で就活生に見てもらいたい狙いがある。
近年は日本全国で人手不足と高齢化が進み、大工のなり手が見つからない状況。大工の会社も求人活動にまで手が回らず、畳んでしまうケースが多いと考えている。
須藤建設はWEBによる求人活動をしていて、就活生の目に止まりやすい。建物を造る多様な仕事ができ、その中の一つに大工があることを示し、将来の選択肢として捉えてもらうことができれば。
―業界の人手不足にどう取り組むべきか。
専門工事業を営む各社がなくなってしまう前に、M&Aなどで、その会社の専門職を当社の専門部署として吸収するといった未来もあり得るかもしれない。
だが第一には、技術体験などの地域貢献事業で建設業のやりがい、面白さを伝える場を増やして、人材の確保につなげたい。