札幌で開催される2020年東京五輪マラソンのコースがようやく固まった。大通公園を発着点とし、まず「北海道マラソン」のコースを一部含む札幌市中心部20㌔を1周、さらに創成川通から北大キャンパスにかけての後半部分を2周する形だという
▼大会組織委員会と世界陸連が14日に現地を視察した上で合意したそうだ。冬本番の前に決まって良かった。雪が積もると景色が一変するため評価は難しかったろう。レース展開を考え戦略を練らねばならない選手は、やきもきしながら発表を待っていたに違いない。関係者もほっと胸をなで下ろしているのでないか。もちろん道民も無事成功を望んでいようが、こうなると今度は別の心配が頭をもたげる
▼他でもない。「さっぽろ大通ビアガーデン」への影響である。ちなみにことしのビアガーデンは7月19日から8月14日までだった。来年の五輪でマラソンと競歩が予定されているのは8月6―9日。8月上旬といえば最もビールが恋しくなるころではないか。たった4日間だから心配ないと思われる人がいるかもしれない。ただ同じ五輪のサッカーで札幌ドームを会場とするに当たり、大会組織委は当初何と言っていたか。実質5日の開催のために、前後合わせて3カ月間は他の用途で使用できないと主張していたのである
▼場所も事情も違うため、今回はそこまで長期にわたる要求はなかろう。ただ今回も放送機材設置や安全対策などに相当な準備が必要なことには変わりがない。いかに折り合いを付けるか。コースを決める以上の難しさがありそうだ。