買物公園にカフェ、スポーツセンターなどを設置し、まちのにぎわいを―。旭川工高は20日、毎年恒例となった建築科3年生の卒業設計発表会を同校で開いた。テーマは前年度と同じ、旭山動物園、買物公園、北彩都地区の3テーマとし、生徒たちは「旭川にあればいいな」と思う施設を提案。設計に込めた思いや夢をプレゼンテーションした。
ことし4月に、自分たちが取り組みたいテーマを決め、重綱博美道建築士事務所協会旭川支部長、中沢光夫道建築士会旭川支部長らが設計上のポイントをアドバイス。生徒たちはスケッチアップなどを用いて9カ月間製作に取り組んできた。発表会当日は、1、2年生や保護者、生徒の就職先の上司らも観覧した。
旭川市役所への入庁が決まっている山森規正さんは、旭川駅前近くの買物公園は人通りが多いが、離れるにつれて少なくなっているため、買物公園奥に幅広い年齢層の人たちが訪れることのできるカフェを設計した。
外観は目立たせることで、立ち寄りやすい施設感を演出。読書ができる2階は光が直接入らないようルーバーを設置し、柔らかな光が差し込むよう工夫した。
山森さんは「平面図や断面図などをもっと計画的に進めれば、スケッチアップの作業も余裕を持って取り組める」と後輩たちに助言。「中間発表時とかなり異なる物になってしまったので、あらかじめイメージしながら設計する大切さを学んだ」と振り返った。
作品を見た市建築部の本間宏明次長は「非常にコンパクトな設計で、光の取り込み方も素晴らしい。これからもこういった設計に取り組んでほしい」とエールを送った。
今回は、来年1月24日に釧路で行われる北海道高等学校工業クラブ大会へ出場するチーム8人が、作品を出展。旭山動物園園内にトロッコを走らせ、途中に駅を設けるなどのリノベーションを施したもので、生徒たちは興味深そうに見入っていた。
(北海道建設新聞2019年12月24日付8面より)