経営環境評価の見直しなど
道建設部の建管発注分に適用する入札・契約制度、施工に関する取り組みで、2020年度の工事・委託業務から新たに実施するものや変更点を本紙がまとめた。19年度2、3月に発注するゼロ国債やゼロ道債、現年補正にも適用するものもあり、一部これから決定を予定する取り組みも含んでいる。総合評価方式ガイドラインの改正、工事円滑化会議の試行、週休2日推進に向けた冬季施工における雨休率補正などを実施する。
【総合評価方式・地域建設業経営環境評価】
過去5年間の平均受注額と手持ち工事量によって算定する「地域建設業経営環境評価」で、2、3月発注のゼロ国債やゼロ道債工事などにおける手持ち工事量の考え方を変更する。
地域建設業経営環境評価は過去5年間の平均受注額を分母、当該年度の未完成工事受注額を分子として評価比率を算出。手持ち工事が少ないと評価点が高くなり、逆に多いと評価点が低くなる仕組みになっている。
これまでは、ゼロ国債やゼロ道債工事などに入札参加する場合、施工中の3月完成工事も分子に含めていたため、評価点が低くなっていた。しかし、ゼロ国債・ゼロ道債工事が実質始まる4月時点では、この手持ち工事は完了していることになる。こうした解釈から、ゼロ国債・ゼロ道債工事などでは3月末完成工事を分子に含めず、実態に合った手持ち工事量を評価する。
【総合評価方式・円滑な事業執行への貢献】
各建管発注で高度な技術を必要とする工事や長寿命化指定工事、2年以上の長期間工事、建管が指定する重点工事を受注して完成した場合、次年度の該当建管の総合評価方式において、受注工事の内容や受注件数に応じて、円滑な事業執行への貢献度(地域貢献度)として加点評価することにする。
完成実績に応じてポイントを獲得。例えば長期間工事は0.5ポイント、点在型工事は0.25ポイントなどと付与し、その累計ポイントが0.5ポイント未満なら0・25点、1ポイント以上なら1点というように加点する。
ポイント、指定工事、加点数は各建管が設定する。4月1日以降の公告では各建管が重点工事を設定し、公告に次年度の総合評価で加点になることを記載する。工事を受注して完成すると、次年度に公告する工事で獲得ポイントを自己申告する。ポイントの有効期限は1年間となる。
【総合評価方式・タイプ適用基準の明確化】
予定価格7000万円以上2億5000万円未満の工事は、工種とその技術的難易度によって「施工計画審査タイプⅡ型」と「施工実績審査タイプ」どちらかが選定される。しかし、その基準が曖昧で建管によっても適用に差がある。そのため、金額と難易度だけでどちらかに決定できるよう見直す。この変更で、施工実績審査タイプが拡大することになる。
【総合評価方式・添付資料の削減】
施工計画審査タイプの評価項目である「簡易な施工計画」に必要な添付資料を削減する。NETIS(新技術情報提供システム)掲載の新技術は番号のみ記載し、カタログなどの資料提出は不要となる。NETIS掲載以外の新技術、新工法、特許工法も、技術的所見ごとに1枚までの資料提出とする。
【地域外からの労働者確保の設計変更簡略化】
地域外から労働者を確保する場合の設計変更で、提出書類の一部廃止や記載事項を省略する。
契約締結後14日以内に提出する必要があった「労働者確保予定表」は廃止。労働者確保に係る「実施計画書」と「実績報告書」は、これまで工種、職種ごとに詳細内訳を記載する必要があったが、契約会社ごとの記載でよい。
変更協議については、これまで入札時の計画、工程の妥当性、下請け業者の選定、下請け業者との関係、近傍工事における同工種の状況、地域外からの必要性の6項目を説明して協議する必要があった。これを変更する工種、予定していた業者名、確保できなかった近傍にある2社程度の業者名、新契約先を施工協議簿に明示すればよいことにする。
なお、北海道胆振東部地震の災害復旧工事の入札不調・不落対策で適用している室蘭建管苫小牧、門別両出張所管内の工事を対象とした、さらなる簡略化は特例措置として20年度も継続する。
この記事は北海道建設新聞2020年2月28日付5面に掲載されました。
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