宮田建設(本社・美幌)は、1日から民泊施設「GLOCE GUESTROOM Bihoro」の運営に乗り出している。美幌町内では新型コロナウイルスにより老舗ホテルが閉館。宿泊施設の確保を求める声が多く、新たな宿泊拠点として期待がかかる。
町内では2017年に各団体の代表者が集まり、美幌町観光まちづくり協議会を設立。観光による地域活性化について議論を深めてきた。
宿泊施設の少なさを危惧する声が多かったため、メンバーの宮田博行社長は民泊の開業を検討。19年11月から消防設備の整備など準備を進めてきた。
栄町2丁目5の13にある同社所有の3階建てマンションの3室(1DK、50m²)を活用。キッチンやシャワー、テレビ、電子レンジ、家具などのほか、Wi―Fi環境が整い4人まで宿泊できる。女満別空港から車で15分とアクセスも良好で、価格は1泊1人6000円と清掃料3000円(人数や季節により変動)。
これまで在日アメリカ人や学生、ビジネスマンなどの利用があり、12日から26日まで計18人の予約が入っている。
新型コロナウイルスの影響により、町内最大の客室数を誇った美幌グランドホテルが5月に閉館。平野浩司町長は6月と9月の町議会で「早期の宿泊施設の確保が必要」と危機感を示した。
現在、町内では役場庁舎建て替えが進んでいるため作業員の宿泊需要があり、ビートの収穫が本格化するこれからの時期は需要がさらに高まる。
町は移住体験住宅整備支援として、民泊向けを含め、改修費を最大500万円補助する制度を新設し、関係人口の拡大を目指している。
「いかにしてオホーツクや美幌という名前を多くの人に知ってもらうか。美幌は摩周湖や知床などの景勝地にアクセスしやすい地の利がある」と宮田社長。逆風の中での船出だが「町内で一棟を丸々利用したゲストハウスを始める人が出てくれれば」と前を見据えている。(網走)
(北海道建設新聞2020年9月18日付9面より)