コロナ対策など課題共有 札幌市が住民主体の避難所開設訓練

2021年02月25日 15時00分

 札幌市は21日、市内西区にある手稲宮丘小で地域住民を主体とした避難所開設訓練を実施した。西区役所や宮の沢町内会などから約50人が参加。避難所開設の初動体制や新型コロナウイルス感染対策を踏まえた対応を中心に訓練し、受付時に密集しない状況づくりや円滑な滞在スペースへの案内など運営上の課題を洗い出した。

 訓練は指定避難所となる小学校の機能や設備、開設の初動体制を知ることなどが目的。西札幌断層を震源とする最大震度7の地震が発生し、西区内で家屋倒壊や道路陥没、ライフライン停止などの被害が出て、避難所に避難者が集まっている状況を想定した。

 同小には、地域住民の防災意識の高さから滞在スペースでのプライバシーを守るワンタッチテントや、マミー型寝袋などが備蓄されている。参加者は各班に分かれて受け付けや滞在スペース、感染症室の設営を体験。受け付けは、体調不良者向けの臨時用と一般用を設置するなど感染症を念頭に置いて取り組んだ。

 また、滞在スペース設営ではプラスチック手袋を装着し、体育館内にテントや寝袋、毛布などを組み立てる作業も実施。滞在スペースとは別に設ける感染症室には、各区役所に配備されているワンタッチパーティションを置き、内部に段ボールベッドを設置した。

滞在スペースに設置するテント設営を実践(上)。
感染症対策では別室にパーティションで感染症室を設けた(下)

 訓練は、地域住民が区役所職員よりも早く避難所に到着したとの想定で進行。住民が職員と協力しながら避難所を開設するまでの流れを確認した。

 参加した宮の沢町内会の中川和彦副会長は「宮の沢地区は急斜面にあり、土砂災害の危険性があるので避難が重要になる。1人も被害者が出ないよう訓練を続けたい」と話した。

 実施後には、受付時に密な状態が発生したこと、テントへスムーズに案内できなかった点などを課題として共有した。

(北海道建設新聞2021年2月24日付16面より)


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