上士幌町は6日、企業滞在型交流施設の新築に向けた町民説明会を開いた。町外企業のサテライトオフィス新設や1週間以上のワーケーション利用につなげる考え。基本設計のパースなどを用いて、運営方針や施設の特長を紹介した。7月下旬に実施設計を終え、9月に着工、2022年4月のオープンを目指している。

道内初となる「無印良品の家」のパース
道内初となる「無印良品の家」をワーケーション施設として新築する。2棟編成で、それぞれ2階、延べ120m²の規模。総事業費は1億2000万円を試算する。道内の厳寒期に対応するため従来と比べて冷暖房効率を3割高めた。建物の床材は道内で調達する。南側にウッドデッキ、北側に芝生広場を設け、イベント開催に対応。歩道270m²はウッドチップ舗装、駐車場140m²はアスファルト舗装とする。4月のプロポーザルで課題とされた積雪対策は、屋根の角度を変更してウッドデッキ側に雪が落ちないように調整した。
運営はスパイスボックス(本社・東京)、設計はMUJI HOUSE(同・東京)、施工は土屋ホーム(同・札幌)・橘内建設(同・上士幌)共同体によるコンソーシアム。建設地は「道の駅かみしほろ」と隣接する上士幌東3線229の73を含む町有地1300m²。
町民ら約20人が参加。意見交換では「サテライトオフィスまでの移動手段は何か」「町内で無印良品の商品は販売するのか」といった質問が出た。運営者らは「実証実験が進む自動運転バスなどが候補。店舗新設は施設運営を通して模索したい」と答えた。
竹中貢町長は主催者あいさつで「町内の観光施設やシェアオフィスと連携し、多くの企業と密な関係を構築できれば」と期待を寄せた。
(北海道建設新聞2021年7月8日付9面より)