働きやすい環境整備
除雪オペレーター不足の解消と地域雇用の創出を図るため、谷組(本社・下川)は、女性3人の通年雇用を開始した。5―10月はフルーツトマトの栽培に関わる作業を、冬季には除雪車のオペレーターとして雇用している。谷博之社長は「男性だけにこだわらず、女性への環境整備と支援体制をつくりたい」と意気込んでいる。

タイヤショベルを操作する女性従業員(谷組提供)
3人は12日にかけて道内を直撃した暴風雪の対応で、除雪作業に出動。即戦力として会社の期待が高まっている。
同社では2006年からフルーツトマト栽培を開始。栽培のため、毎年季節雇用で従業員を採用してきた。冬季には従業員を除雪に参加させ、通年雇用することで長く働いてもらいたい考えだ。山口司専務は「長く働いてもらえれば、トマトの管理も任せられるようになり、品質の向上にもつながる」と期待を寄せる。
通年雇用となった女性従業員は、更谷亜衣さんと板垣実希さん、菅野梨恵さんの3人。昨年5月に採用された。3人は30代で、家事や子育てをしつつ勤務している。同10月までに、トマトの栽培と並行して大型特殊自動車と車両系建設機械の免許を取得。加えて国道除雪に従事するため、日本建設機械施工協会の除雪機械技術講習も終えた。2人は今シーズンの除雪に加わり、国道と町道でオペレーターの助手として活躍し、1人は操作訓練に励んでいる。
山口専務は、彼女らの働きぶりを見て「最初は資格を取ることに戸惑いがあったと思うが、今は訓練して機械を操作できるようになってきた」と努力を評価。「早朝の除雪は土日のみ任せている。平日は小さい子どもがいると、学校へ送らなければならない。平日は朝8時以降の勤務にしている」と子どもがいる女性が働けるように気を配っている。
同社では、女性3人をパートタイムで雇用しているが、長期勤務を見据えて今後は社員への登用を視野に入れている。
谷社長は「除雪を担う企業のオペレーター不足が今後加速する中で、先を見据えた人員確保が必要になる。人員不足の解消と地域雇用の創出を広げたい」と話している。(旭川)