栗山から夢のJ1へ 元Jリーガー・矢野哲也社長に聞く

2022年02月11日 10時00分

プロサッカーチーム BTOPサンクくりやま 発足 4年で昇格目指す

 誕生4年でJ1リーグへ。大胆な構想を掲げたプロサッカーチーム「BTOPサンクくりやま」が1日、道内で発足した。2021年設立のBTOP(ビートップ、本社・札幌)が、栗山町を本拠とする社会人チーム「サンクFCくりやま」の運営をNPO法人サンクスポーツクラブから引き継ぎ、プロ化した。元Jリーガーの矢野哲也BTOP社長(37)に事業の構想を聞いた。

矢野哲也社長

 ―どんなチームか。

 監督に、北海道コンサドーレ札幌U―18に所属してU―17日本代表にも選ばれた杉山雄太が就く。総監督は以前群馬の「ザスパ草津チャレンジャーズ」にいた西野虎太郎が務める。2人とも24歳で監督として全国最年少だ。彼らの元に、J1での活躍を目指す若い選手が全国から集まってきた。現時点で23人とプロ選手契約をする。

 BTOPは、北海道からの四半世紀ぶりのJリーグ参入を実現する目的で、美容室チェーンを展開する芭里絵(本社・札幌)やシステム開発のフィーリスト(同)など7社・団体の協力で設立した。

 ―驚異的なスピードでのJ1昇格を掲げる。

 前身のチームが道央リーグで優勝していて、ことしの北海道リーグに出場する。ここで優勝して全国地域サッカーチャンピオンズリーグに駒を進め、23年度にJFL昇格、24年度J3、25年度J2、そして26年度にJ1という計画だ。

 にわかに信じてもらえないような高い目標だが、道外には「ロアッソ熊本」が発足4年でJ2に上がった実例もある。不可能ではない。選手たちも同じ夢を見て集まっている。

 ―J1にはすでにコンサドーレがいるが。

 プロチームが複数ある県は珍しくない。本道なら人口から言えばJ3以上に5チームあってもおかしくないぐらいだ。本格的なチームが複数あると応援がより盛り上がり、選手に憧れる子供も増えて競技の裾野が広がる。優れた選手の道外流出も抑えられる。

 J1昇格は単に試合に勝つだけでなく、運営企業の経営安定度や、ファンの規模なども問われる。北海道を活性化することになると信じている。

 ―矢野社長は札幌出身の元Jリーガー。どんな経緯で今に至るのか。

 中学でU―15日本代表候補になり、北海高校時代は国体北海道代表としてベスト8に入った。卒業後に柏レイソルに加入したが出場機会が得られず、その後JFL、北海道リーグでプレーして23歳で引退した。それからはリクルート北海道じゃらん、農業などいろいろな経験を積んだ。元選手ではあるがBTOPではフロント業務に徹し、監督の采配に口を出すことはない。

 ―スポンサー集めは順調か。

 まだこれからだ。私たちはサッカーはもちろん、前運営団体から地元住民向けのスポーツ指導事業を引き継いでいて、今後は福祉施設訪問、リサイクルできるグッズの開発販売、防災拠点に使えるスタジアム建設など、SDGsへの貢献も進める。スポンサー企業の協力を仰ぎながら、地域から応援してもらえるプロチームに育ちたい。

 矢野哲也(やの・てつや)1984年5月生まれ、札幌出身。SSS札幌サッカースクールで競技を始め中学卒業まで在籍。北海高校卒業後J1の柏レイソル加入。JFL、北海道リーグでもプレーし、2007年に選手引退。リクルート北海道じゃらん勤務、農業などを経て1月から現職。


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