伊達市は2022年度、市役所本庁舎耐震化に向けて建て替え、改修の両面から検討に入る。22年度に耐震改修に向けた実施設計を予定していたが、多額の費用がかかることに加え、ブレースなどの設置が執務スペースに与える影響や、有珠山噴火など将来の災害にも備えた強度の確保が必要との判断から方針を転換した。3カ年程度かけて進める考えだ。
21日の22年度予算案会見で、菊谷秀吉市長が明らかにした。このため、耐震改修実施設計費の予算案計上は見送った。
鹿島町20の1にある本庁舎はRC造、地下1地上5階塔屋2階、延べ6160m²の規模で1975年に完成した。現行の耐震基準を満たしていないため、15年度に本庁舎耐震診断調査をドーコンに発注。耐震改修で10億円、建て替えで30億円の事業費がかかると試算した。
震度5以上の地震で崩落の危険がある箇所が示されたことを受け、22年度は補強方法の検討を進める計画だった。外断熱工法を選択肢の一つとする方針も打ち出していた。
ただ、有珠山が噴火すれば震度5以上の地震が発生する可能性が高く、建物の強度を再検討する必要があった。
財源には国の緊急防災減災事業債の延長などもにらみ、住民合意の形成を進める考えだ。