home

2022年03月03日 09時00分

 サラリーマンを続けながら歌手としても活動していた木山裕策さんの歌に『home』(多胡邦夫作詞作曲)がある。同じ思いに胸を打たれた人も多いのでないか

 ▼歌詞にこんな一節があった。「君がくれた溢れるほどの幸せと真っ直ぐな愛を 与えられてるこの時間の中でどれだけ返せるだろう 帰ろうか もう帰ろうよ茜色に染まる道を 手をつないで帰ろうか 世界に一つだけ my sweet home」。幼いわが子と手をつないで公園を歩いているとき、自分の手を握る子どもの手にぎゅっと力が入ったとき感じた思いを歌っている。無条件に寄せられる信頼、無私の愛、父親としての責任。単純な言葉では表現できないそういった感情だろう

 ▼人生は長いというが、子どもと一緒にいられる時間は案外短い。仕事にかまけていたり、ぼんやりしたりしていると、家族との時間はいつの間にか残り少なくなっている。縁あって一つ屋根の下で暮らしているのだ。せっかくの機会を無駄にはしたくない。ところがウクライナでは今、そんな世界に一つだけの家庭の幸せを無残に打ち砕く事態が進んでいる。ロシアの侵略に立ち向かうため、兵士だけでなく一般の男たちも戦場に立っているのだ。〝戦場〟というが、そこはきのうまで家族が平和に生活していた土地のことである

 ▼妻子を国外や安全な所に避難させ、男たちは銃を手にして故郷防衛の最前線に踏みとどまっている。プーチン大統領が残忍な侵略命令を発してから1週間が過ぎた。父親が子どもの手を再び握れる日は一体いつになるのか。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 古垣建設
  • 日本仮設
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,582)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,447)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,348)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,106)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (911)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。