別線山側トンネル案に決定 229号乙部町館浦恒久対策

2022年03月16日 08時00分

延長800m2本を更新 新規事業化へ動き加速

 北海道開発局は、岩盤崩壊に伴って通行止めが続く乙部町館浦地区を本格復旧する国道229号の恒久対策として、現道とは別線となる山側トンネル案で実施する。整備延長は2kmで、乙部町館浦―同町鳥山間を結ぶルート。構造物はトンネル2本(延長各800m)と橋梁1基を想定する。今回の対応方針決定を受け、防災事業としての新規事業化に向けた動きが加速する。

 14日に開いた229号乙部町館浦地区斜面対策技術検討会の第4回会合で、同案が妥当だと判断した。

 同技術検討会は、2021年6月6日に起きた乙部町館浦地区での岩盤崩壊災害に伴い発足。被災地区の斜面評価、環境、安全性、維持管理性などを総合的に勘案し、最適な対策工法などを技術的に検討する。

 前回の第3回会合では現道を活用する切り土案、別線ルートの山側土工案などを含む恒久対策5案が示され、別線山側トンネル案が最有力とした。同案は事業費約140億―190億円、事業期間は約7―10年を試算する。

 また前回は、委員が土石流の影響、地滑り地形の有無などの地形地質状況、現トンネルの施工状況の各調査が重要であると指摘。恒久対策案のうち山側トンネル案が優位だが、施工安全性、維持管理、地域資源の観点を考慮して各案を検討する必要がある―との意見も上がった。

 このことから、今回は既往文献などを活用した調査結果を開発局が報告した。

 現トンネルの施工状況を調査し、別線山側トンネル案の設計検討の留意点をまとめた。施工当時の工事関係者にヒアリングしたところ、矢板工法での施工時に切羽崩壊、天端崩落などの変状は確認されず、掘削が困難となるような硬質岩盤の出現もなかったという。

 別線ルートの山側トンネル案、山側土工案の両案では起点側沢部に土石流危険渓流があったため、これを調査検討。最大リスクを想定した土石流規模を基にシミュレーションした結果、山側の広範囲に土石流影響範囲が広がることが分かった。

 被災箇所に位置する館の岬の断崖は、桧山道立自然公園に指定。本道を代表する景勝地で地域の主要観光資源となっていることから、極力改変しない配慮が必要だとした。

 これらを踏まえ、開発局側は別線山側トンネル案を対応方針案として提示。土地利用への影響が最小限で地域資源となる斜辺改変を伴わず、施工時の安全性確保などの達成が見込めること、事業期間が最短で概算事業費が最も安価なことなどから、他案より優位だと位置付けた。

 付近住民らは現在、迂回路を使用中。検討会座長の蟹江俊仁北大大学院工学研究院教授は「今後、線形などは詳細な精査が必要だが、検討会として同案が妥当だと判断した。併せてコスト縮減と早期供用開始を具申した」と話した。


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