主要ゼネコンに調査 営業利益低下、経営難など懸念も
北海道建設新聞社は、道内の主要ゼネコンを対象に賃上げの対応などをアンケートした。全体の4分の3が総合評価での加点措置に沿った賃上げを実施したと答えた。担い手確保や若手職員定着という従来の目的のほか、加点によって受注機会を確保するために多くの企業が賃上げに踏み切ったとみられる。ただ、自由回答では「賃金引き上げに重点を置く加点措置は企業の経営を疲弊させる」と加点措置に懸念を示す意見が聞かれた。(賃金アンケート調査班)
岸田内閣は「成長と分配の好循環」の具体化に向けて賃上げを行う企業への税制優遇拡充を進め、国の入札でも総合評価方式の工事で賃上げ企業に対する加点措置を導入。国を挙げて機運醸成を図っている。建設業界にとっても賃上げは各社の会社経営に大きく関わり、担い手確保の観点でも重要な要素であることからアンケートを通じて動向を確認した。
道内に支店・営業所がある道外企業を含む主要ゼネコン286社にアンケートした。3月28日から4月25日までに124社が回答を寄せ、回答率は43.4%となった。
国の発注機関は4月から、総合評価方式の工事や業務で賃上げする企業に対して加点している。その上で2022年度(もしくは22年)に加点措置に沿った賃上げを実施したか確認すると、「実施した」と回答した企業は75.6%と大多数。「実施しなかった」のは11.4%にとどまった。検討中だったのは13%だった。
賃上げをした理由については加点措置を受けたり、受注機会を確保することが大半を占めた。雇用や技術者の確保という回答も多く、加点措置に関係なく賃上げを予定していたという答えも見られた。
この記事は北海道建設新聞2022年5月12日付1面よりWEB用に抜粋して掲載しています。閲覧は新聞本紙か、e-kensinプラスの記事検索コーナーをご覧ください。
この記事の関連資料として、「2022年度賃金に関するアンケート調査結果概要」を公開しています。
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