「今後は夕張で独自プロジェクトを」 スキー場の再閉鎖懸念
夕張を拠点にした新たな観光事業を立ち上げたい―。夕張市内でマウントレースイスキー場などを運営する夕張リゾートオペレーション(本社・夕張)社長の鄭剣豪氏が4月中旬、同社に辞表を提出した。近く手続きが完了する予定。鄭氏は「経営方針の違いが大きな理由だが、夕張には観光など大きな可能性を感じている」とし、今後、独自に宿泊などの観光プロジェクトを展開したい考えだ。
旧運営会社の2021年の破綻で、同社が設立。鄭氏は中国・香港オーナーの要請を受けて社長に就任した。従業員の確保、施設の老朽化対策などに奔走し、1シーズン休止していたスキー場を昨年12月からことし3月まで運営。隣接するホテルマウントレースイの早期再開にも意欲を見せていた。
独自事業について鄭氏は「現在、剣豪集団(神戸)など複数の会社を経営しているので、新たに会社を設立せずに、そのうちの一つで夕張を拠点にした観光や農業研修などの宿泊施設を新設したい考え」とし、現在、事業計画を詰めている最中だという。
鄭氏の辞表提出で、せっかく再開したスキー場の再閉鎖が懸念される。夕張市は「スキー場は市にとって重要施設。同社とは連絡を取っており、必要性を伝えている」と話している。(岩見沢)